初回ヒアリングで聞くべき7つの質問|仕事につながる聞き方
初回のヒアリングは、仕事の成否の半分を決める場面です。作る前の段階で、何を聞き、どう整理するかによって、提案の的確さも、…
text: HYPE編集部
Webデザイナーの記事一覧へ初回のヒアリングは、仕事の成否の半分を決める場面です。作る前の段階で、何を聞き、どう整理するかによって、提案の的確さも、修正の少なさも、見積もりの納得感も変わります。一方で、「何を聞けばいいのか分からない」「聞きすぎて相手を疲れさせたくない」と迷う人も少なくありません。この記事では、初回ヒアリングで聞くべき7つの質問と、聞き方のコツを整理します。はてなブログでは、質問リストを別の角度から紹介しています。
ヒアリングは、作る前の仕事
ヒアリングというと、依頼内容を確認する作業のように聞こえます。しかし、本当の役割は、相手の頭の中にある「こうなったらいい」を言葉にしてもらい、制作の条件に変えることです。依頼者自身も、最初は言葉にできていないことが多くあります。
質問を通じて整理を手伝うと、相手は「この人は分かってくれている」と感じます。その安心感が、そのまま発注の決め手になることもあります。営業の流れの中でヒアリングがどこに位置するのかは、営業の基本の記事で整理しています。 仕事の募集や応募を検討する場合は、クラウディアも参考になります。

事前調査では、相手企業の発表資料だけでなく、業界全体の公的資料にも当たると、個別の話と市場全体の話を分けて聞けます。中小企業庁は中小企業白書・小規模企業白書を公開しています。
7つの質問[前半]目的から参考まで
- 目的:この制作で、何を実現したいですか?
- 対象:誰に届けたい(使ってほしい)ですか?
- 現状:いま、どんな状態ですか?(既存の素材、課題、過去に試したこと)
- 参考:イメージに近いもの、逆に避けたいものはありますか?
1つ目の「目的」は、最初に必ず聞きたい質問です。依頼の言葉は「動画を作りたい」でも、本当の目的は「応募を増やしたい」かもしれません。目的が変われば、必要な内容も、かける費用も変わります。2つ目の「対象」が分かると、言葉づかいや見せ方の方向が決まります。
3つ目の「現状」では、すでにあるものを把握します。ロゴ、素材、過去の資料があるだけで、作業量は大きく変わります。4つ目の「参考」は、言葉で説明しづらい好みを確認する近道です。好きな例だけでなく、苦手な例も聞くと、ずれを防げます。
参考作品や参考サイトを聞くときは、後でそのまま使えるという意味なのか、方向性の例なのかも分けて確認します。文化庁の著作権制度の案内は、他者の創作物を扱う際の前提を確かめる資料です。
7つの質問[後半]条件から成功まで
- 条件:納期、予算の範囲、納品の形式は、どのように考えていますか?
- 体制:確認や決定は、誰がしますか? 修正のやり取りの窓口は誰ですか?
- 成功の基準:できあがったとき、何を見て「うまくいった」と判断しますか?
5つ目の「条件」は、現実的に進められるかを確かめる質問です。納期が先でも、確認に時間がかかる体制だと、実際は間に合わないことがあります。6つ目の「体制」は、見落とされやすいのですが、修正が長引く原因の多くは、確認する人が複数いて意見が揃わないことです。
7つ目の「成功の基準」は、終わりを決める質問です。基準が決まっていないと、完成のタイミングが曖昧になり、修正が続きやすくなります。数字で決められるなら数字で、難しければ「誰に、どう思ってほしいか」の言葉で確認します。

条件を聞く場面では、担当者名や連絡先など個人に関する情報を受け取ることもあります。個人情報保護委員会は個人情報保護法等のページで、個人情報の取扱いに関する法制度を案内しています。
聞き方は、順番と言い換え
質問の順番は、大きいものから小さいものへが基本です。最初に目的や対象のような大きな話を聞き、その後に条件のような細かい話へ進みます。逆にすると、相手は答えにくく、尋問のように感じてしまいます。
相手の言葉は、そのまま繰り返すのではなく、短く言い換えて確認します。「つまり、〜ということでよろしいでしょうか」という一言が、認識のずれを早く見つけてくれます。専門用語は避け、相手の業界の言葉で聞くことも大切です。営業と提案の流れを、実務の視点で整理した記事もあります。

聞きづらい予算の、聞き方
多くの人が聞きづらいと感じるのが、予算です。「ご予算はいくらですか」と直接聞くと、身構えられることがあります。次のような聞き方が、実務ではよく使われます。
- 「ご検討されている範囲の目安はありますか」と、範囲で聞く
- 「過去に似た制作で、どのくらいかけたか」を聞く
- 内容の違う2〜3つのプランを出して、反応を見る
予算が決まっていない相手も多いので、無理に聞き出す必要はありません。その場合は、複数のプランを用意しておくと、話が進みやすくなります。金額の考え方は、値付けの記事で整理しています。
聞いたあとの、一手
ヒアリングは、終わってからが勝負です。聞いた内容を、その日のうちに簡単にまとめて送ります。
- 聞いた内容の要約(目的・対象・条件・成功の基準)
- 確認したいこと・まだ決まっていないこと
- 次の進め方と日程
要約を送ると、相手の確認が入り、認識のずれを早期に直せます。また、「きちんと整理してくれる人」という印象にもなります。この要約が、そのまま提案書の土台になります。提案書の作り方は、別の記事で整理しています。
聞きすぎないための、ひと工夫
質問が多いと、相手を疲れさせてしまうのではないか。その不安は、事前の準備で減らせます。
まず、調べられることは、先に調べておきます。相手の公式サイトや、過去の発信を見れば、事業の内容や雰囲気は、ある程度分かります。分かることを聞かずに済めば、質問は、本当に聞きたいことに絞れます。
また、質問リストを事前に送っておく方法もあります。相手が事前に考えてくれるので、当日の話が深まります。当日は、確認と深掘りに集中できるため、短い時間でも、中身のある打ち合わせになります。
事前に質問を送るときは、全部を一度に送らず、答えやすい3つ程度に絞るのがコツです。たくさんあると、相手の負担が大きくなり、返信そのものが後回しになってしまいます。残りの質問は、当日の会話の中で自然に聞いていきます。また、質問の最後に「分からないところは、空欄のままで大丈夫です」と添えておくと、相手は気楽に答えられます。答えられなかった部分は、相手がまだ決めていないことの印でもあります。そこを一緒に整理することが、打ち合わせの価値になります。終わったあとには、聞いた内容を短くまとめて送り、認識がずれていないか確認しておくと安心です。メールでも、チャットでも、同じ流れでできます。相手の使いやすい手段に合わせましょう。事前の一手間が、当日の余裕につながります。
関連する話題は、note(コミッターズ)の「ヒアリングは「聞く」ではなく「設計する」。売れる人の質問の順番」でも取り上げています(ヒアリングは「聞く」ではなく「設計する」。売れる人の質問の順番)。HYPEの公式サイトでは、ほかのテーマの記事もまとめて読めます(HYPE公式サイト)。

まとめ
初回ヒアリングは、作る前の仕事です。目的・対象・現状・参考・条件・体制・成功の基準の7つを聞き、聞いた内容を要約して返しましょう。予算は範囲やプランで聞き、順番は大きい話から小さい話へ。丁寧なヒアリングは、提案の質と、お客様の安心感を同時に高めます。
出典
・中小企業白書・小規模企業白書
・著作権制度の案内
・個人情報保護法等
合わせて読みたい
- ヒアリングは「聞く」ではなく「設計する」。売れる人の質問の順番
- 提案書の基本構成|1枚で伝わる提案書の作り方
- クリエイターの営業の基本|仕事を取る流れと最初にやること
- クライアントの業界研究のやり方|制作前の下調べ
- 取材の進め方|聞く順番で記事の質が決まる
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