COPYWRITING コピーライター 2026.11.06

専門用語を翻訳できるクリエイターが選ばれる理由

専門用語の翻訳力とは、制作の現場で当たり前に使っている言葉を、相手が判断に使える言葉に言い換える力のことです。クリエイタ…

text: HYPE編集部

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専門用語の翻訳力とは、制作の現場で当たり前に使っている言葉を、相手が判断に使える言葉に言い換える力のことです。クリエイターが選ばれるかどうかは、作品の腕前だけでなく、「相手に通じる言葉で説明できるか」でも大きく変わります。この記事では、専門用語を翻訳する考え方と、提案・見積もり・納品の場面で使える具体的な型を整理します。

専門用語が通じないと、何が起きる?

図解1

制作の現場には、「カット割り」「テロップ」「色味」「コンテ」「レタッチ」「ラフ」など、当たり前に使われる言葉がたくさんあります。ところが、依頼する側にとっては、これらの多くが初めて聞く言葉かもしれません。
言葉が通じないと、相手は「何を決めればいいのか」がわからなくなります。わからない状態が続くと、返信が遅くなったり、判断が先延ばしになったり、場合によっては「よくわからないから今回は見送ろう」という判断につながります。
これは相手の理解力の問題ではありません。伝える側が、相手の立場に合わせて言葉を選べていないだけです。通じない言葉は、どれだけ正確でも、相手にとっては「情報」にならないのです。

翻訳とは、やさしく言い換えることだけではない

翻訳というと、難しい言葉をやさしい言葉に置き換えることだと思われがちです。もちろんそれも大切ですが、それだけでは足りません。
本当に必要な翻訳は、「その言葉が、相手にとってどんな意味を持つか」まで伝えることです。たとえば「テロップを入れます」と言うだけでは、作業の説明にすぎません。「画面に文字を入れて、音を出せない場所でも内容が伝わるようにします」と言えば、相手にとっての意味が見えてきます。
つまり翻訳は、「言葉の意味」と「相手にとっての利点」の両方を添えることだと考えると、使いやすくなります。作業の名前だけを伝えるのではなく、その作業が相手の何を助けるのかまで、一緒に届けるイメージです。

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翻訳力は、専門用語を相手の言葉に置き換える力です。言い換えだけでなく、相手が判断できる形にすることが大事です。

翻訳の型:3つのステップ

図解2

専門用語を翻訳するときは、次の3つのステップで考えると整理しやすくなります。
・ステップ1:その言葉が何をすることなのかを、一言で言う
・ステップ2:それによって相手に何が起きるのかを、結果で言う
・ステップ3:相手に決めてほしいことがあれば、選択肢の形で添える
この3つが揃うと、相手は「何をするのか」「自分にどう関係するのか」「自分は何を決めるのか」を一度で理解できます。特に3つ目の「相手に決めてほしいこと」を添えると、やりとりが前に進みやすくなります。
最初から完璧に言えなくても構いません。まずは1つ目と2つ目だけでも意識すると、説明の質が変わってきます。
ライターとしての伝え方を体系的に学びたい方には、キャリア講座もあります。
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分かりやすく伝える工夫は、公的な情報発信の分野でも蓄積があります。デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブックでは、誰にでも伝わる情報の届け方が解説されています。

場面別:見積もりと提案で使う翻訳

見積もりや提案の場面では、作業名がそのまま並びがちです。「カット編集」「カラー調整」「テロップ入れ」「BGM選定」と書いてあっても、依頼する側はそれぞれが何のための作業なのか、判断しにくいものです。
作業名の横に、短い「目的」を添えるだけで、見積もりの読みやすさは大きく変わります。たとえば「カット編集(見やすい長さに整えます)」「カラー調整(映像の雰囲気をそろえます)」のような書き方です。
こうした一言があると、相手は「どこに価値があるのか」「どこを減らせるのか」を自分で考えやすくなります。結果として、納得感のある相談がしやすくなり、後から「これは何の費用ですか?」と聞かれる場面も減っていきます。

見積もりや請求の言葉は、制度の言葉とつながっています。たとえば請求書の記載事項については、国税庁のインボイス制度の特設ページで、必要な項目が具体的に示されています。

場面別:納品と修正のやりとりで使う翻訳

納品のときにも、翻訳は役に立ちます。修正をお願いされたとき、相手が使う言葉と制作側の言葉がずれていることはよくあります。たとえば相手が「もう少し明るい感じにしてほしい」と言ったとき、それが「全体の明るさ」なのか「色の雰囲気」なのか「元気な印象」なのかは、すぐにはわかりません。
相手の言葉を、制作の言葉に翻訳して確認することも、翻訳力の大切な一部です。「全体を明るくする、という理解で合っていますか? それとも、色味をあたたかくする、という方向でしょうか?」と選択肢にして返すと、やりとりが短くなります。
このように、翻訳は「こちらの言葉を相手に伝える」だけでなく、「相手の言葉をこちらの言葉に直す」双方向の力でもあります。聞き返すこと自体は、決して頼りなさではなく、仕事を丁寧に進める姿勢として伝わります。

納品や検収のやりとりでは、決まったことを記録に残す姿勢も「翻訳」の一部です。公正取引委員会の下請法の解説では、取引内容を書面で残す考え方が示されています。

例で考えてみる(仮の場面です)

動画編集者が、飲食店のオーナーから依頼を受けたとします。見積もりの相談で、オーナーが「テロップとか、カラーグレーディングとか、よくわからないんですが…」と言いました。
ここで「それは色を調整する作業で…」と専門的に説明するよりも、「料理がおいしそうに見えるように、色味をそろえる作業です」と、相手の関心に合わせて言い換えるほうが、オーナーにとっての意味が伝わります。
さらに「ここは優先度が高いので入れたいですが、予算を抑えたい場合は後回しにもできます」と添えると、オーナーが自分で判断できます。この例は仮の場面ですが、翻訳とは「相手が判断できる状態をつくること」だとよくわかります。

翻訳しすぎにも注意する

翻訳は大切ですが、やりすぎると、かえって伝わりにくくなることもあります。
・すべての言葉をやさしく言い換えて、説明が長くなりすぎる
・相手を子ども扱いしているような言い方になる
・専門用語を一切使わず、プロとしての信頼感が伝わらなくなる
目安は、「専門用語を一度は使い、そのあとに短く言い換える」ことです。そうすれば、相手は新しい言葉を少しずつ覚えられますし、プロとしての安心感も損なわれません。相手の知識の量は人それぞれなので、反応を見ながら言葉の量を調整してください。

翻訳力を日ごろから育てる習慣

翻訳力は、特別な才能ではなく、習慣で育てられます。おすすめは次の3つです。
・自分が普段使っている専門用語を、10個だけ書き出してみる
・それぞれに、「一言の説明」と「相手にとっての利点」を添えてメモする
・実際のやりとりのあとで、相手の反応が良かった言い換えを書き足す
このメモは、見積書やプロフィール、よくある質問のページにそのまま使える「自分の言葉の辞書」になります。一度つくっておくと、新しい依頼が来たときも、説明にかかる時間がぐっと短くなります。

よくあるつまずき

・専門用語を使うこと自体が「プロらしさ」だと思い込んでしまう
・相手が黙っているのを「理解した」と受け取ってしまう
・見積もりの作業名だけを並べて、目的を書かない
・自分の言葉でしか確認をせず、相手の言葉を翻訳しようとしない
どれも、相手の反応を確認する一言を加えることで、改善しやすくなります。「ここまでで、わかりにくい点はありませんか?」と聞くだけでも、十分です。
はてなブログの「専門用語の翻訳力|クリエイターが強い理由」でも紹介しましたが、翻訳力が強みになる理由を整理しています。また、アメブロの「動画編集のメニュー表、作ってみませんか?」では、言葉をメニューに落とし込む考え方を紹介しています。ほかにも、コミッターズのコラム(営業・経営)の「説明を短くして判断を助ける考え方」が参考になります。HYPEの公式サイトでは、ほかのテーマの記事もまとめて読めます。
翻訳力を仕事につなげるなら、スキルマーケットへの出品も検討できます。
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HYPE編集部のキャラクター
翻訳できる人は、仕事の範囲が広がります。言葉の橋渡しは、それ自体が立派な専門性です。

まとめ

専門用語を翻訳できるクリエイターが選ばれるのは、相手が安心して判断できる状態をつくれるからです。言葉の意味と、相手にとっての利点を、短く一緒に伝える。筆者としては、まず今週の見積もりや提案の作業名に、一言の目的を添えてみることをおすすめします。

出典

・インボイス制度の特設ページ
・ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
・下請法の解説

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