単発案件を継続契約に変える提案の仕方
クリエイターの仕事は、単発の依頼で終わることがとても多いです。作品を納品し、お礼を言われ、それで終わり。気づけば、毎月、…
text: HYPE編集部
コピーライターの記事一覧へクリエイターの仕事は、単発の依頼で終わることがとても多いです。作品を納品し、お礼を言われ、それで終わり。気づけば、毎月、新しいお客様を探し続けているという状態になりがちです。単発案件を継続契約に変えることは、仕事と生活を安定させるうえで、最も効果が大きい選択肢の一つです。この記事では、継続につながる提案の考え方と進め方を、手順で整理します。
単発で終わる仕事が多い理由
単発で終わる理由は、作り手の力不足ではありません。多くの場合、「継続して依頼する理由」を相手に示せていないことが原因です。相手は、今回の依頼が終われば、次の依頼を考えることなく日常に戻っていきます。さらに、納品がゴールになっていると、「次は何をすればよいか」を話す機会自体がありません。継続は、依頼する側と作る側が、次の一手を一緒に考えることで生まれます。提案をしないままでは、継続の話は始まりません。
単発で終わりやすい背景には、発注条件があいまいなまま始まる仕事の進め方もあります。厚生労働省のフリーランスガイドラインでは、業務委託の条件を書面等で明示することの大切さが示されています。条件を言葉にして残すことが、継続の提案をしやすい関係づくりにつながります。
継続につながる仕事の共通点

継続につながりやすい仕事には、いくつかの共通点があります。ひとつは、一度で完結せず、続けて行うことで効果が出る性質を持っていることです。たとえば、動画のシリーズ制作、定期的に更新するバナー、月ごとの資料作りなどです。もうひとつは、作り手と相手のやり取りがスムーズであることです。一度目の依頼で、相手が「伝える手間が少なかった」「理解してもらえた」と感じていると、次も同じ人に頼みたいと思います。この二つが揃うと、継続の話が自然に出やすくなります。
提案する前に整理しておくこと
継続を提案する前に、次の三つを整理しておきましょう。
- 相手がこれからも続けて解決したい課題は何か
- 自分が継続して提供できる作業は何か(無理なく続けられる範囲)
- 継続することで、相手にどんないいことがあるか
「相手の課題」を起点に考えると、提案が売り込みではなく、相談に近い形になります。なお、少しでも余裕を持って続けられる範囲かどうかは、自分の状況で必ず確認してください。
提案のタイミング
継続の提案に適したタイミングは、納品した直後、相手が成果を実感しているときです。納品を喜んでいただいたときや、成果が目に見える形で現れたときに、「このあとも、こうしたらいかがですか」と切り出します。逆に、修正のやり取りで相手が近づきにくい状態のときや、納期直前の忙しい時期に話を切り出すのは避けましょう。相手の気持ちに余裕があるときを選ぶことで、提案は前向きに受け取ってもらえます。
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継続提案の中身

継続の提案には、次のような項目を入れます。何を続けて行うか(作業範囲)、どれくらいの頻度で行うか、どうやって連絡を取り合うか、いつ振り返るかです。料金については、各自の状況と契約の形に合わせて決めてください。範囲と頻度を明確にすることが大切です。「継続」と言ったときに、作り手は「月に2本」を想像し、相手は「必要なときにいつでも」を想像している、といった食い違いが起きやすいからです。最初の合意を書面で残しておくと安心です。
継続契約の提案では、毎月の請求まわりの手続きもセットで示すと相手が動きやすくなります。国税庁のインボイス制度特設サイトでは、適格請求書に記載が必要な事項を案内しています。継続後の請求書の形まで見せられると、提案の中身が具体になります。
小さく試す期間を設ける
いきなり長期の契約を提案すると、相手が身構えてしまうことがあります。そこで、最初は短い期間を試してみる形にすると、受け入れやすくなります。たとえば、「まずは数回やってみて、合うと感じたら続けましょう」という提案です。やめやすい入口を用意するというのは、一見すると逆説的ですが、試しやすさにつながります。試してみて、相手が実際にメリットを感じれば、自然に本格的な継続へ進めます。
「続けてください」ではなく、「続けると何が変わるか」を伝える
継続をお願いする形で伝えると、相手には、作り手の都合の話に聞こえてしまいます。そこで、続けることで相手にどんな変化があるかを、具体的に伝えます。たとえば、「毎月同じ人が作ることで、トーンがそろい、やり取りの手間も減ります」のような説明です。継続のメリットを相手の言葉で言い換えると、提案が相手にとっての利益の話になります。
断られたときの扱い
継続の提案を断られることもあります。そのときは、理由を少しだけ聞いてみると、次の提案のヒントになります。予算の問題なのか、必要性の問題なのか、タイミングの問題なのかによって、次の動き方が変わります。断られても、関係を続ける姿勢を示しておくことが大切です。「必要になったときは、いつでもご連絡ください」と伝えておけば、あとから再び依頼が来る可能性が残ります。
継続になったあとに気をつけること
継続が始まったあとは、作業範囲が少しずつ増えていかないよう、注意が必要です。「これもお願いできますか」が積み重なると、最初の合意を超えてしまい、負担だけが増えます。定期的に振り返りの時間を設けて、範囲と領域を確認し直すとよいでしょう。継続は、続けることよりも、健全に続けられる形を保つことが大切です。振り返りで見つかった課題は、次の提案の材料にもなります。
継続契約が始まったら、相手先の業種や規模の変化にも目を配りたいところです。中小企業庁の中小企業白書・小規模企業白書では、中小企業や小規模事業者の経営環境の動向を毎年まとめています。こうした公的な動向資料は、継続先の状況を把握する手がかりになります。
例で考えてみる(仮の場面です)
小さなカフェのメニューイラストを一度納品したイラストレーターを考えます。オーナーは納品物を気に入ってくれています。そこで「季節ごとにメニューが変わるときも、同じトーンで作れます。まずは次の季節分をお試しでいかがですか」と提案します。オーナーは、メニューが変わるたびにデザインを探す手間が省けることに気づき、試してみることにします。この例は仮の場面ですが、相手の「毎回探す手間」を解決する形で提案すると、継続は自然な選択肢になります。
継続の入口を増やすなら、クラウドソーシングも選択肢です。→ クラウドソーシング Craudia(クラウディア)
まとめ
単発案件を継続に変える鍵は、相手の課題を起点に、納品直後に「続けると何が変わるか」を伝えることです。範囲と頻度を明確にし、小さく試す期間を設ければ、無理なく進められます。筆者としては、次の納品のときに、継続の一文を用意しておくことをおすすめします。
出典
・厚生労働省のフリーランスガイドライン
・国税庁のインボイス制度特設サイト
・中小企業庁の中小企業白書・小規模企業白書
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